1月31日
函館で札響の仕事があった帰り松前に寄りました。松前町は渡島半島を函館から80キロほど西南に行った海岸沿いの街で、松前氏の旧城下。江戸時代の北海道(蝦夷)の藩庁所在地です。江戸時代は北前船貿易で「松前の五月は江戸にもない」といわれたほど賑わっていたそうですがその面影は今はまったくありません。
5月の桜の時期になると松前城を囲む松前城公園は桜の名所で観光客で賑わいますが、この時期観光客はほぼ皆無でかえって風情があります。
松前城に入るため入場券を買おうとしたのですが、受け付けに人はおらず奥で掃除している女性に声をかけたら、「・・・お客さんですか?」と言われてしまいました。
上の写真は松前城。ときおり起こる地吹雪でよく見えない。中が資料館になってますがもう少し充実させてほしいです。最上階に松前(蠣崎)波響コーナーがあると書いてあったので行ってみたら「夷酋一二列像」の複製の写真があるだけでした。夷酋列像の小島貞喜模写の複製は長く原画が行方不明になっていたため、広く知れ渡っているものですが、近年(昭和59年)ブザンソンの市立博物館で原画11点がまとめて発見され、一躍脚光をあびました。写実的で芸術的でいわゆる「アイヌ絵」とは一線を画してます。
「夷衆列像」一二図のうちの「イコトイ」(41.5cm×33.0cm)
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模写の顔の部分。 |
ブザンソンで発見された原画の顔の部分、やはり表情の迫力がちがう。
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上は小島貞喜模写。 |
帰りに松前漬を買ってかえりました。札幌までは車で8時間のみちのりです。